今は平穏な暮らし

もう十年くらい前の話になりますが、両親が終の棲家を探すために不動産を見て回っていた時期があります。

結局元々住んでいた町内の別の場所に新しく土地を買って家を建てたのですが、決定するまでには気候の良い場所を探して、あちこち見学に行ったりしていました。私も何度かつきあったことがあります。

よく覚えているのは北海道千歳市の中古物件でした。まだ人が住んでいるとのことで、生活感のある室内を見学しましたが、そのまま家具や寝具が残った状態ではなんとも言えない気まずさを感じました。

また、あまり家も手入れをされている状態ではなく、悪い印象だけが残りました。やはり人が住んでいる状態での内覧は、良いイメージが湧きにくいと思います。

他には北海道伊達市という地域も見に行きました。雪が少なく暖かい気候ということで、両親は少し乗り気でしたが、実際にそこに住むとなると娘である私や姉の住む場所からかなり距離があり、これまでのような行き来ができないことがネックとなって断念しました。

老後を過ごす家なので、やはり娘たちと離れて暮らすのに不安があったようです。私も伊達市が決まらなくてほっとした記憶があります。

結局住み慣れた町を選んだ両親ですが、今となっては正解だったと思っています。新築の家で庭作業をしている両親を見ると、あれこれ探したからこそ今の平穏な暮らしがあるのだと実感できます。